日々記 観劇別館

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石丸幹二さんの静かな情熱

3月3日に放映された、石丸幹二さん出演の『スタジオパークからこんにちは』の録画をようやく鑑賞。別に嫌いで放置したわけではなく、単純に3月はビデオを見る精神的余裕が全くなかっただけなのです*1

育ちの良さを感じさせる上品で柔らかく落ち着いた物腰。人当たり良く万人に分かりやすい受け答え。程々にプライベートを切り抜いて見せてくれる気さくさ。どこかの誰かさんとはかなり異なる*2トークスタイルだと思いながらしみじみ見ていました。
劇団四季時代の石丸さんを知らない上、舞台も1本しか観ていない(しかもとてもご本人には見せられないような辛口な感想を書いてたりする(^_^;))のであくまで今回のトークのみの印象ですが、多芸多才さを武器に色々挑戦してみたいという、ソフトさの内に秘めた情熱、良い意味での貪欲さを感じ取りました。
上品さ、多芸多才さという面では、同じ四季出身の鈴木綜馬さんと共通のカテゴリに入ると思いますが、彼の明るくジェントルマンなキャラクターの内側にある激しさ*3のようなものを、石丸さんもどこかにお持ちなのだろうか?とも考えたりして。
とにかくお休みを取りたくて四季を退団された後の1年間、心身のリハビリとして近場の散歩から始め、徐々に横浜中華街、九州と距離を伸ばし、そして海外への観劇旅行を経て、復帰を決意するに至ったそうです*4。「男も40代から身体が変わる」という発言に、やはり今のあの劇団で看板役者として旅から旅へとお仕事を続けていくには、相当の体力が必要で、だから13、4年前の山口さんも、それが本意であったのかは図りかねますが、その生活に一区切りを付けざるを得なかったのかも知れない、と思いを馳せたりしていました*5
石丸さんも決して100%本意からの退団ではなかっただろうに、と察しつつ、それでも、静かな情熱を持って新たなスタートを切られたことを祝福し、これからのご活躍を祈りたいと思います*6

*1:せめて主演舞台を観る前には面倒がらず見とけよ、と自分ツッコミ。ちなみにドラマ『白洲次郎』は主演男・女優を食わず嫌いして観ていません。

*2:「真逆」ではなく、あくまで「異なる」です。

*3:四季の頃に英国人スタッフがキャストを侮蔑するスラングを発したのを鋭く聞きとがめ、憤然と抗議したというエピソードを、以前山口さんが紹介されていました。

*4:NHKなので四季の契約ルールによる活動拘束期間の話には触れられていませんでした。

*5:彼の場合、今、全く同じような生活をしているようにも見えますが、それでも「明日から別の地方のあっちの演目に出ろ」と急に命ぜられない分違うのかも知れません。

*6:そう言えば下村尊則さんも復帰が決まりましたね。