日々記 観劇別館

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『篤姫』第43回

今回は、帯刀がお近さんに「お琴とは別れる」と宣言して京に戻ると、不在中にお琴さんはひっそりと男児を出産済み。どこかから預かった子か?とボケをかまして真実を知らされ、鳩が豆鉄砲を食ったような、を地で行った顔になるのが可笑しかったです。しかしこの2人の関係も、色々ドラマは起きているのに全然生々しくないですね。これまで、お琴さん自身の口からめったに真情が吐露される場面もないので影が薄くなりがちですが、このドラマに出てくる女性のご多分に漏れず、彼女も相当に強い人です。
後から西郷と大久保に「私に万一のことがあったらこの子に小松家を」と語るのを聞いて、「ああ、死亡フラグが……」とつい思ってしまいました。実際は物語上の帯刀の死まであと3年あるわけですが。それと、お近さんに男児誕生の事実を伝える手紙。あんな誠実な手紙を出されたらお近さんも複雑な思いを噛みしめつつ受け入れるしかないだろ、と思わず画面にツッコミを入れておりました。
和宮改め静寛院と天璋院の和解は静かにしてドラマチックでした。静寛院は、家茂を戦に送り出す時も堂々としていた天璋院の笑顔の意味を、本当はずっと前から心の奥底では分かっていたのでしょうけれど、やっと素直に認める気持ちになれたんだなあ、と思いつつ観ていました。攘夷決行が実質無効になったことで「政略上」幕府に残る意味も、兄である孝明帝のいなくなった京に戻る意味もどちらも無くなったことで、では自分自身はどうしたいのか?と考えて、初めて天璋院を母上と認めた上で(今まで「天璋院さん」って呼んでいたのに、とうとう「母上様」と(無意識に)呼びかけたし)、夫の遺志を継ぎ幕府を守っていく決意を固めたのだ、という彼女の気持ちの細かな変化のプロセスが、観ている側に納得がいくようにきちんと描かれていて良かったです。

今回の久光様は、新将軍・慶喜が召集した「列侯会議」の場面に登場。良い声で怒鳴り散らして、山内容堂とともに退場してました。よく怒る人だ。
山内容堂役の今さんの出番、予想はしてましたが、これだけかーい!と心の中で叫んだ私。あまりに一瞬だったのでその場面だけ巻き戻して見直してしまいましたが、やっぱり一瞬でした(笑)。一応、第45回にも容堂の出番はあるらしいですが、台詞等は期待しない方が良いかも知れません。折角ヅラが似合って綺麗なのに何と勿体ない。
あと、松平康英の役の佐藤正宏さんって、初演TdVシャガールパパを演じていたあの方でしょうか。列侯会議のメンバーに、あれだろうな、という方はいましたが、自信なし。
来週は久光様の登場はないと聞いていますが、大政奉還、龍馬暗殺と展開が大きいようなので、ちゃんと観ておきたいと思います。そしてその翌日は帝劇エリザ初日!ここ数日の冷え込みで少し風邪気味なのですが、それまでには治さねば、といった所です。