日々記 観劇別館

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シカゴ/ヒューイ・ルイス&ザ・ニュース ライブ感想(2008.4.20)

日比谷の小劇場を背中で気にしつつ、ご近所の東京国際フォーラムホールAまで、連れ合いと2人で標記の公演を聴きに行ってきました。
両バンドともにR35世代に人気があった方々ですが、洋楽に興味の薄かった私は持ち歌を各2、3曲しか知らないという体たらく。それでも第1部(HLN)、第2部(シカゴ)合わせて正味約3時間のライブを結構楽しむことができました。
第1部のHLNの演奏は、とにかくホーン・セクションの音が素敵でした。これにドラムやベースの重低音、そしてヒューイ・ルイスのシャウトと極渋のブルースハープ演奏が加わって、骨太で力強い音を聴かせてくれていました。驚かされたのは、ヒューイの若さです。第1部1時間半ぶっ通しでステージ上を動き回っていたのはもちろん、最前列客席降りまで務めて客席を盛り上げてくれていました。この人どう考えても50代以上だよな、と思って帰宅後調べた所、1950年7月生まれということで御年57歳。素晴らしいです。
というわけでライブ中に私の頭の中で曲名と歌が一致したのは、1曲目の“The Heart of Rock & Roll”と、途中の“The Power of Love”(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の主題歌)のみ。確かに聴いたことがあるのに曲名が思い出せなかった“Do You Believe in Love”なんてのもありました。
スト2曲程でシカゴのヴォーカルの1人チャンプリンとドラムのトリスが登場し、共演*1。チャンプリンはギター、トリスはブルースハープを披露していました。逆に第2部の2曲目だか3曲目ではヒューイが登場してヴォーカルを務めてました。

休憩を経て、第2部はシカゴライブ。HLNよりもっと曲が分からず。でもメロディアスで重厚感のある演奏に引き込まれました。第1部ではほとんど立ちっぱなしでしたが、シカゴの曲はバラードも多いので、客席も立ったり座ったりを繰り返しておりました。
リード・ヴォーカルはロバート・ラム、ビル・チャンプリン、ジェイソン・シェフ(名前は後から調べました)の3名。音域や曲想の異なる曲も幅広くこなせて、まあ、これは便利。キーボードやアコギを抱えてセンターで歌うロバートがあまりに若く見えたので、ヒューイ以上に年齢を疑問に思い、これも帰宅後調べたら、御年63歳(1944年10月生まれ!)。ちなみにチャンプリンも還暦越えだそうです。一体何なんだこの人達の若さは!?
圧巻だったのは、トリス・インボーデンのドラムソロ。2分以上はあったでしょうか。あまりの迫力に、思わず手持ちのオペラグラスで注視してしまいました。また、シカゴのホーン・セクションも、実に哀切漂っていて、音楽に深みを加えていました。

で、このライブのスペシャルゲストとして布袋寅泰氏が登場すると聞いていましたが、なかなか現れず。シカゴのラストの“Hard to Say I'm Sorry”がヴォーカルのハモり加減、サウンドの厚みともに素晴らしかったため、別に布袋氏が出なくても、もうこれで終わりでもいいじゃないか、と思い始めた頃、アンコールで金髪サングラスの男が出現し、『キル・ビル』のテーマ(BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY)を奏で始めました。そのままシカゴの面々とセッションに突入。ギターのキース・ハウランドと互角に演奏する姿に圧倒。更にもう1曲共演を果たして会場のテンションを上げまくった後、シカゴとともに挨拶して去っていき、ライブ終了と相成りました。
しかし布袋氏って相当の長身(公称187cm(山口さんよりでかい!))の筈なんですけど、アメリカ人であるシカゴの面々と並ぶと普通に見えたのは驚きです。アメリカン・トラッドな雰囲気のシカゴの中では、彼のトンガったキャラはかなり浮いてないでもなかったですが、真面目な話、ギターテクは凄かったです。

最後に、会場と音響について。会場のホールAは初めてでしたが、座席は端(1階17列最上手)であったにもかかわらず、座っていてもステージをくまなく見渡せる良いポジションでした。まあ、ライブ中はスタンディングが多かったので、着席時の見え方はほとんど無関係でしたが。
音響ですが、前出のとおりドラムやベースの重低音は実に良く響いていました。問題はヴォーカル。もうちょっと際だって聞こえてきても良い筈なのに、時々他の楽器の演奏に埋もれて聞こえづらいことがありました。私だけの印象かと思っていたら連れ合いの聞こえ方も同様で、ネット上での評判もそんな感じだったので、多分音響バランスの調整が上手くいかなかったのだと思われます。

しかしそれでも、それを補って余りある、大人の為の良質なライブでした。会場に見事に30または40代と見られる客層しかいませんでした。シカゴのメンバーの年齢層から見て、恐らく50代の方もいた筈、とは思うのですが。

*1:書き忘れてましたが、ギターのキースも登場してました。(2008.4.21補足)