日々記 観劇別館

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『レ・ミゼラブル』感想(2007/8/5ソワレ)

ジャン・バルジャン山口祐一郎 ジャベール=今拓哉 エポニーヌ=知念里奈 ファンティーヌ=今井麻緒子 コゼット=辛島小恵 マリウス=山崎育三郎 テナルディエ=駒田一 テナルディエの妻=阿知波悟美 アンジョルラス=東山義久 ガブローシュ=横田剛基

8月5日はまたJCSとレミゼのマチソワでした。当初この日は観る予定がありませんでしたが、どうしても今ジャベールと東山アンジョに逢いたくなって譲渡板でチケットを譲っていただいたものです。
二度目の今ジャベール。山口バルジャンとの絡みは7月31日に観た時よりは熱くなかったものの、ファンティーヌの臨終の場でのバルジャンとの対決で、すぐそこにまだファンティーヌの亡骸が横たわっているというのに、執拗に警棒を振り回してバルジャンに迫りゆくさまが大迫力でした。あと、これは前回書き忘れていましたが、今ジャベ、基本は冷酷なんだけど実に感情表現が豊かです。まず「STARS」の時に星空を見上げる場面で本当に嬉しそうに星を眺めているので「何て可愛いんだ!」と思ってしまいました。ジャベールなのに。スパイとして潜入しているバリケードを降りる時絶対銃を学生に預けないとか、入水の時の狂った高笑いとかの細かい演技も心に残ります。
今回は阿知波マダム・テナルディエと知念エポニーヌが初見でした。阿知波マダムは他のマダム(特に森さん)と比べると割とアクは薄めです。でも所作の軽やかさと綺麗さでは一番かも。問題は知念エポ。音程は合っているし声量も無いわけではありませんけれど、ちょっと歌が弱いように思いました。「オン・マイ・オウン」で一瞬だけはっとする箇所こそありましたが、「がんばりましょう」のハンコを押したいところです。彼女をあと2回観る予定なのですが、楽近くにはもうちょっと良くなってくれるでしょうか……。

で、肝心の東山アンジョ。この日は山崎マリウスとの組み合わせでしたが、やっぱり見た目のバランスは良いです。小顔で頭身もあるし、パリの街やバリケードでも人の波に埋もれることがありません。でも歌の自己主張は小さい坂元アンジョの方が強いんですけれどね(^_^;)。最期のバリケードぶら下がりの美しさでは東山くんが多分一番かと思います。

山口バルジャンは今日はおとなしめでした。「彼を帰して」でも普通に静かに祈っていたので、先日のあのホットな彼帰は何だったんだろう?という感じ。後述するように比較的前方の席だったためか、歌声が少し生っぽく聞こえたのは嬉しかったです。先日のレミゼブログでレミゼはあまり歌声を大音量にしないという音響さんの話がありましたが、そのポリシーは大いに歓迎いたします。あ、テナ夫妻との宿屋での掛け合いコント(と言うしかないでしょう、もはやあれは)は、駒田・阿知波コンビでも健在でした。

本日の席についても少し言及しておきます。J列最上手でしたが、見切れは意外と無し。パリの街の場面で見えない箇所がいくつかありました。例えばマリウスとコゼットの初対面の場面で、後ろで呆然と立ちすくむエポニーヌが全く見えない、等。ただ、当たり前ですが下手から来る役者さんの表情は実によく見えました。それに、パリの街でも大半の人の演技はちゃんと「見える」位置で行われてましたし。レミゼってそう言う意味でも良く出来た舞台なんだなあ、と思いました。比較するのもアレですが、MAなんか見えなくてストレスがたまる場面が山ほどあったような気がするので。なんというか、作品の力みたいなのをひしひしと感じるのです。と言うわけで、今週末も、その作品の力をもらいに出かけてきます。