日々記 観劇別館

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『教えて!ミュージカル』(ちょっと辛口感想)

先週の日曜日、JCSとレミゼをマチソワする直前にムック『教えて!ミュージカル』を書店で発見して購入。山口さんの記事が載ってるわけではないので、吉野圭吾さんのインタビューで山口さんについて「舞台の上での『居方』に、近寄りがたいくらいのオーラがあります」と語られてさえいなければ、多分買っていなかったと思います。それでも違うページをめくったら、実にお似合いのカジュアルスタイルで鈴木綜馬さん*1が上品ににっこりしていたので、ああ、やっぱり買って良かった、と満足いたしました。

で、後から役者さん達のインタビューに目を通してちょっと気になったのは、ミュージカル界の「プリンス」と呼ばれる井上芳雄中川晃教森山未來のインタビュー。森山くんは今まで出演作にご縁がなかったのでよく知りません。あと、雰囲気を見る限りプリンスっていうよりは若手個性派、実力派な感じだよな、と思うのですが、それは置いといて。
井上くんのインタビューは、色々な世界に目を向けて貪欲に吸収しようと頑張ってる感じが伝わってきました。ただ、やっぱりまだ若いからかな?微妙に言葉(というか日本語)の使い方が軽い気がします。演技においても歌においても言葉って大事な要素だから、もっと綺麗に言葉を遣うことが出来るようになればもっと成長できるのに、と思いました。
違う意味で心に引っかかったのは、中川くんのインタビューでした。記事を読む限りの印象ではありますが、彼の目に何よりも優先して見えているのは自分自身。それから、自分自身の感性をいかにして表現して自分だけの道を切り開いていくか?ということだけが見えているように思いました。井上くんとはまた異質のエゴイスティックな貪欲さが感じられます。それは決して悪いことではなくて、彼の刃のように研ぎ澄まされたアートな若い感性は、そういうやり方でしか育むことが出来ないのだろうけれど、たまにはもうちょっと力を抜いてみても良いんじゃない?と声をかけてあげたくなります。言ったところでそう簡単には聞いてくれなさそうだけれど。
何にしても、みんなまだ若くてこれから歩く道はうんと長いのだし、息切れせずに頑張りを見せて欲しいなあ、と、今回のインタビューを読んで思いました。

*1:インタビューによれば綜馬さん、宮本亜門さんの高校の後輩だったそうです。年齢的に恐らく同時には在学しておらず、大学も学科は違うようですが、初耳。